価格高騰する湾岸タワマンはなぜ売れ続けるのか?~意外な優遇税制と住民の特性~

高騰する湾岸タワマンはなぜ売れ続けるのか? 不動産/湾岸タワマン

坪単価130万円。


16年前の2004年に竣工した湾岸地域、江東区東雲の54階建てタワーマンションWコンフォートタワーズの価格だ。

3LDK約83m2では3000万円台前半で購入することができた。現在では坪当たり約200数十万円で取引されており、2004年に購入し現在も居住し続けていれば実に2,000~3,000万円程度の含み益を抱えていることになる。

築16年のマンションの新築時購入者が現在売却すると、16年分の家賃を払う必要がなく数千万円を受け取れたことになる。もちろん、マンション購入時の手数料や税金、管理費などの諸経費等は別途かかる訳であるが。

マンション価格より重要な実質返済負担

このWコンフォートタワーズは湾岸東雲地区において最初に建設されたタワーマンションであり、その敷地はもともとは三菱重工の工場跡地であった。


街の利便性を大きく向上させたイオン東雲店が建設され、隣町の豊洲でもららぽーとなどの商業施設や大規模なタワーマンションの建設が続き、ここまで様変わりした地域は少ない。

同マンションの住民の先見の明を素直に称えたいが、深刻なデフレが続いてきた日本において、この価格上昇を2004年当時に予想できた人は少ないはずだ。

マンション価格上昇の一つの要因として、住宅ローンの金利が定位安定もしくは下がり続けているということが大きいだろう。不動産価格は上がり続けているためローンの借入額も増加していることが当然に予想されるわけだが、金利の低下により月々の返済額でみるローン借入者の返済負担はあまり上がっていない可能性が高い。


例えば、3,500万円を金利5%で35年ローンで借入するのと、現在の変動金利約0.5%で借入額7,000万円を35年ローンで借りるのでは、毎月の返済額が約18万円とほぼ同額となる(元利均等方式の場合)。

マンション購入層の親世代からすれば7,000万円のマンションの購入判断は難しいが、金利を加味した実質負担額や住宅ローン減税まで考慮すると、高額なマンションが売れる理由も理解できる。

活発な不動産取引は半投半住の必須条件

もちろんローン金利の低位安定は湾岸タワマンだけへの恩恵ではない。

都内の他地域のマンション購入においても同様の恩恵がある。ただ湾岸地域において価格上昇に寄与している可能性の高い要因として、その流動性の高さを上げたい。需給ともに旺盛であるため価格の透明性が高い(相場の値段で売れることができる)との業界の指摘もある。


住まいとしての価値だけではなく、運用商品としての側面をも期待している、いわゆる「半投半住」の住民にとって、流動性が高い=いつでも持ち家を売却しやすいことは前提条件となる。


この地域に住む層は丸の内、有楽町、新橋などのオフィスへの通勤と公園の多さをはじめとした子育てのし安さという都心では得難い環境を選択する合理的住民が多い。よって、地元意識などには囚われずに住居についても、交換可能な投資資産としても考えられる人が多いのであろう。

税制を知ることで、有利な次の一手を打つことができる

その傾向は、値上がり時の買い替え行動にも如実に現れる。

空中族という言葉も生まれたが、この流行語以上に注目すべきなのは、むしろそれを可能にする税制優遇を知ることだろう。

有名な不動産売却時に免除される譲渡益に対する3,000万円の特例はもちろんだが、「住宅に関する買い替えの税金猶予に関する特例」、といったあまり知られていない税制優遇もある。

10年以上の居住が条件となるが、この特例を利用することで、値上がりした住居を売却して、例えば同額のマンションに買い替えすると納税は猶予措置となる。

例えば先に例を出したWコンフォートタワーズを3,000万円で購入し16年後の現在、例えば6,500万円で売却する。通常であれば譲渡益に15%の所得税とその所得税に2.1%の復興特別所得税、及び5%の住民税がかかる。

ただ6,500万円で売却し同額の新築マンションを買い替えすると納税は一切が猶予される。


この特例は物件価格1億円まで適用されるので、10年住んだ不動産を1億円で売却し、1億円のマンションに住みかえると同様に譲渡益に対する税金は猶予が可能となる(売却したマンションの取得価格が5,000万円でも、7,000万円でも同様に猶予される)。

通勤などによる無駄時間の徹底に加え、各種の税制特例の活用により劣化による減価を避けられない不動産という投資商品のメンテナンスまで抜かりなく行う。

こういった人種に便利で流動性が高い湾岸地域はうってつけといえる。事実、この地域の新築マンションの購入層は近隣マンションからの買い替えが多いと聞く。子供の通学に影響の少ない近隣マンションを買う理由もつきやすいのだろう。


このようなしがらみに囚われず緻密に行動する人が多いのだとすれば、タワマンに住むという見栄っぱりに見える住民像は、徹底した合理性を重視するリアリストが実態なのかもしれない。

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